フェアレディZ(RZ34)の中古車ガイド【新車を待つか、中古を今買うか】

フェアレディZ(RZ34)

3.0LのV6ツインターボで405馬力、そして6速MTが選べる。RZ34型フェアレディZは、この時代に「内燃機関のスポーツカー」として成立している数少ない一台です。

そして中古を検討する理由も、たいていはひとつです。新車の納期が読めないから。

RZ34は生産・供給の事情で受注が止まったり再開したりを繰り返してきました。その結果、中古市場には「すぐ乗れる」という価値が生まれ、時期によっては中古価格が新車価格を上回ることさえあります。だからこの車の中古選びは、程度よりも先に値段と条件の話になります。

中身を確認しておきます。エンジンは3.0LのV6ツインターボ、VR30DDTT型で405馬力。変速機は6速MTと9速ATが選べ、駆動は後輪。骨格はZ34から引き継ぎつつ、外装はS30と240ZGへの参照で構成されています。

まず、2件の対策が済んでいるかを確認する

フェアレディZ RZ34
画像:Tokumeigakarinoaoshima/CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons

RZ34には、歩行者保護に関わる不具合の届け出が出ています。中古で買うなら、車台番号でこの2件が対象かどうか、対象なら実施済みかを必ず確認してください。

ポップアップフードの電気配線(改善対策)。 バンパーハーネスのコネクタの端子配列に問題があり、歩行者衝突検知センサの入力値が正しく演算されないというものです。対象は車台番号 RZ34-100063〜120945、製作期間は2022年6月30日〜2024年1月26日、1,845台。改善措置は正しい端子配列のバンパーハーネスへの交換です。

フロントバンパクリップの締結(リコール)。 左ヘッドランプに締結されるクリップの固定スクリュの締付けトルク設定が不適切で、バンパにガタが出ると歩行者衝突検知センサが正常に働かず、ポップアップフードが機能しないおそれがある、という内容です。対象は RZ34-100469〜101009、2022年10月12日〜2023年4月14日製作の476台。正規トルクで締め直す措置が取られています。

どちらも走行不能になる類の不具合ではありませんが、安全装備が設計どおりに働かないという話です。初期の個体を検討するなら、実施済みかどうかは販売店に確認しておきましょう。

確認の手順は簡単です。車検証で車台番号を控え、日産の公式サイトのリコール検索にかけるか、販売店に問い合わせる。実施済みであれば整備記録に残っています。未実施なら、購入前に対応してもらうよう交渉してください。費用はメーカー負担です。

メーカー保証が、そのまま価値になる

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RZ34はまだ新しい車です。初度登録から数年の個体なら、一般保証・特別保証がまだ残っている可能性があります。中古で買うときは、保証の残存と継承手続きの有無を必ず確認してください。

400馬力級のターボ車で、保証が残っている状態と切れている状態では、リスクの大きさがまるで違います。同じ価格帯なら、走行距離が多少多くても保証の生きている個体のほうが有利になる場面があります。

加えて、日産の認定中古車として販売されている個体には、点検整備と保証が付きます。RZ34のような高出力ターボ車では、この差が実質的な価格差を上回ることがあります。

保証継承には所定の点検が必要で、費用負担を販売店と買い手のどちらが持つかは交渉次第です。契約前に確認しておいてください。

前オーナーの使い方をどう見るか

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加えて、RZ34は納期が長かった時期に「転売目的」で登録された個体が市場に出ました。走行距離が極端に少なく、初度登録から短期間で手放された車です。状態としては良いことが多い一方、価格は高めに設定されています。距離が少ないこと自体は加点ですが、その分の上乗せが妥当かは冷静に見てください。

RZ34は、素性として非常に「いじられる」車です。ECU書き換えでブースト圧を上げる、吸排気を換える、といった改造の裾野が広く、実際に相応の出力が出てしまいます。

そして問題は、戻せてしまうことです。マフラーを純正に戻し、ECUのデータを書き戻せば、外観からは判別できません。だから見るべきは痕跡です。追加メーターの取り付け跡、配線の引き回し、社外部品の取り付けボルトの状態、タイヤの摩耗パターン、ブレーキローターの状態。サーキット走行歴があるなら、そこに出ます。

もうひとつ、9速ATと6速MTでは中古での需要が違います。MT車のほうが値落ちしにくく、玉数も少ない傾向です。逆に言えば、AT車のほうが条件の良い個体を選びやすいということでもあります。

ここで注意したいのが、MT車の使われ方です。MTを選ぶ層はサーキットや峠に持ち込むことが多く、クラッチとブレーキの消耗が進んでいる個体があります。逆にAT車は日常使いが中心で、機関の負担が軽いことが多い。

つまり「MTだから状態が良い」わけではありません。変速機の種類と、使われ方は別の話です。

現車確認で見るべきポイント

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試乗では、低回転からの過給の出方を確かめてください。VR30DDTTは2500rpm付近から力が出る設計で、そこに段付きや息つきがあるなら、吸排気に手が入っている可能性があります。

9速AT車なら、変速のショックとキックダウンの反応も見ておきましょう。MT車なら、クラッチの繋がる位置と、シフトの入りやすさです。

  • 改善対策・リコールの実施記録:車台番号を控えて販売店に確認。上記2件が対象かどうか
  • 保証の残存と継承:初度登録日、走行距離、継承手続きの費用負担
  • 改造の痕跡:追加メーター跡、配線、社外部品のボルト、ECU書き換えの有無を口頭でも確認
  • タイヤとブレーキ:純正サイズは高価。残溝が少なければ購入直後に大きな出費
  • 外装の細部:ヘッドライトレンズとパネルの干渉による塗装剥がれなど、初期に報告のあった症状
  • 試乗:低速からの過給の立ち上がり、変速の質。MT車はクラッチのつながり位置

この車に手を出してよい人、やめた方がよい人

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維持費の目安も持っておきましょう。3.0Lで自動車税は5万円の区分、実燃費は街乗り7km/L前後でハイオク指定。タイヤは前後異サイズの19インチで、交換時はまとまった額になります。車両価格が高い車ほど、消耗品も高いという当たり前の事実を、購入前に計算しておいてください。

向いている人は、いま乗りたい人です。新車を待てるなら待ったほうが安いことも多い。それでも「待っている間の時間」に価値があるなら、中古で買う意味があります。加えて、保証が残る個体を選べば、リスクも抑えられます。

やめた方がよい人は、値上がりを期待して買う人です。この手の車の相場は、供給が正常化すると落ち着きます。投資として買うと、判断を誤ります。

結局、RZ34の中古は買いなのか

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対策が済んでいて、保証が残っていて、改造されていない個体なら買いです。 その3点が揃っていれば、新車の納期を待たずに同じものが手に入る、というシンプルな話になります。

RZ34は、S30から続くZの系譜で「まだ内燃機関で、まだMTが選べる」世代です。この条件が次の世代でも残っている保証は、どこにもありません。

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