マークIIとは

マークIIは、名前が二度変わったクルマです。

1968年に「コロナ マークII」として生まれ、1984年に「マークII」として独立し、2004年に「マークX」へ。この二度の改名が、そのまま日本のセダン市場の変化を写しています。

出発点は派生車でした。1968年のT60/T70は、コロナとクラウンの間に空いた隙間を埋めるために作られたクルマで、エンジンは4気筒しかありません。当時「上級車の証」だった直列6気筒を手に入れるのは、1972年のX10/X20からです。型式の頭文字がTからXへ変わり、ここでコロナの系列から実質的に抜けました。

1976年のX30/X40はセミクラシック調の押し出しで高級パーソナルカーの色を強め、1980年のX60でマークII・チェイサー・クレスタという「三兄弟」体制が固まります。ただし、この時点でもフルネームはまだ「コロナ マークII」でした。中身はとうにコロナと別物なのに、名前だけが出自を引きずっていたわけです。

その名前が外れたのが、1984年のGX71でした。白いボディに1G-GEUのツインカム24。この世代がハイソカーブームの震源地になります。続く1988年のGX81/JZX81でバブルの絶頂を迎え、1JZ-GTEのツインターボが「格」に「速さ」を接続しました。

面白いのは、そのあとです。バブルが崩壊しても、マークIIは走りを手放しませんでした。1992年のJZX90、1996年のJZX100は、直6ツインターボを積むツアラーVを看板に据え続けています。セダンが売れなくなっていく時代に、あえてFRと直6で踏みとどまった世代でした。

2000年のJZX110でマークIIの名は途切れ、2004年のGRX120、2009年のGRX130が「マークX」として後を継ぎます。そして2019年、マークXの生産終了とともに、この系譜は50年余りの歴史を閉じました。

T60からGRX130まで、11世代。型式の並びは、日本人が「ちょうどいい上質」に何を求めてきたかの記録そのものです。

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