チェロキーとは

チェロキーは、四駆の常識を何度も捨ててきたクルマです。

始まりは1974年のSJ。ワゴニアをベースに、まず2ドアの若いモデルとして登場しました。狙ったのは、小さなCJでは家族を乗せきれなくなった4WD好きです。街へも買い物へも行けて、そのまま家族で冒険に出られる。「仕事の道具ではない四駆」というチェロキーの立ち位置は、ここで決まりました。

それをひっくり返したのが1984年のXJでした。独立したフレームを捨て、ボディと骨格を一体化したユニフレームへ。SJより約半トン軽く、全長は53.3cm短い。それでも室内容量の90%を残しました。四駆は大きく重いもの、という常識を壊したこの世代が、いまも「チェロキーらしさ」の基準です。

XJが17年も続いたぶん、その後継は損な役を引き受けました。2002年のKJは、4.0L直6とリジッド式のフロントサスペンションを手放し、3.7L V6と独立懸架へ。北米では「リバティ」、欧州などでは「チェロキー」を名乗ります。2008年のKKも同じ二つの車名を引き継ぎ、角張った形へ戻りましたが、中身まで昔へ戻ったわけではありません。

そして2014年のKL。フィアットとクライスラーが共同開発したプラットフォームに、ミドルサイズSUV初の9速AT、上下に分かれたヘッドライト。見た目も成り立ちも、歴代で最もジープらしくないチェロキーでした。それでもTrailhawkには後輪デフロックまで残しています。形ではなく、能力でジープだと言い切ったわけです。

KLで名前がいったん途切れたあと、チェロキーはKM型として2026年に復活します。今度はSTLA Largeプラットフォームに1.6Lターボハイブリッド、後輪を切り離せる4WD。外形は四角く戻りましたが、四駆の仕組みとパワートレーンはさらに現代化しました。

SJから新型まで、6世代。チェロキーが守ってきたのは構造でも形でもなく、「普段使えて、道がなくても進める」という一線でした。

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