ロードスター(ND)の中古車ガイド【幌の状態が、その個体の履歴書】

ロードスター(ND)

4代目のNDロードスターは、先代NCで大きく重くなった車体を切り詰め、初代に近い重量へ戻した世代です。1.5Lという排気量の選択も含めて、数字ではなく運転する人を主役に戻した設計でした。

構成を確認しておきます。日本仕様の主力は1.5Lの直列4気筒(P5-VP[RS])で、後期型では出力が引き上げられました。変速機は6速MTと6速AT、駆動は後輪。車重は1トン前後で、初代NAに近い数字まで戻しています。2.0Lを積むRFは、屋根の構造も含めて別物です。

中古市場では玉数が豊富で、年式も幅があります。見るべき点は、この車の構造からはっきり決まっています。

幌を見れば、その個体の履歴が分かる

https://kuruma-dna.com/nd5rc

ソフトトップのNDで最初に見るべきは幌です。幌とガラスの隙間、生地のこすれ、開閉時の異音は、その個体がどう保管され、どう使われてきたかをそのまま映します。

屋外保管で紫外線を浴び続けた個体は、生地が硬化して縮み、隙間が出ます。開閉のたびに擦れる部分は、先に傷みます。幌の状態が良い個体は、他の部分の扱いも丁寧だったと考えていい。 逆も同じです。

現車確認では、必ず自分の手で幌を開け閉めしてください。引っかかり、異音、閉じたときの隙間。ここに時間をかける価値があります。

雨漏りの確認も同時に行ってください。幌を閉じた状態でドアの内張りの下端、シート下、そしてトランクの隅を手で触る。湿っていれば、その個体は幌かシールのどちらかに問題を抱えています。

初期型のミッション

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2015年から2016年頃の初期型(ND1)では、マニュアルトランスミッションの強度と設計に起因する問題が報告されています。冷間時に1速や2速へ入りにくい、ギア鳴りがする、といった症状です。

多くはシンクロの摩耗や設計上の問題として語られ、対策としてミッションを交換した個体もあります。初期型を検討するなら、ミッション交換の整備記録があるかを確認してください。

試乗では、必ず冷えた状態から始めさせてもらってください。暖まってからでは症状が出ないことがあります。1速と2速の入り方、そしてシフトダウンでの引っかかりを見てください。

パワーウィンドウのワイヤー錆

ロードスター(ND)
画像:Falcon® Photography from France/CC BY-SA 2.0(Wikimedia Commons

意外と多いのが、パワーウィンドウの不調です。動きが遅くなる、途中で止まる、ギギギという異音が出る。原因として挙げられるのが、巻き取りワイヤーの錆です。

オープンカーである以上、ドア内部には水が入ります。排水経路が詰まれば、内部で錆が進みます。現車確認では、左右の窓を最後まで上げ下げして、動きと音を確認してください。

RFは、電動ルーフを最優先で見る

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RF(リトラクタブル・ファストバック)は、屋根の一部が開くタルガトップ形状です。ソフトトップとは別の注意点があります。

電動ルーフの機構が複雑で、異音が混じる場合はギアの欠けやリンクの変形が疑われます。ユニット交換になれば数十万円という金額が語られます。

確認方法は単純で、何度も開閉させてもらうことです。途中で止まる、動きが不均一、金属質な音がする。どれか一つでもあれば、その個体は見送るか、修理費を織り込んで交渉してください。

もう一つ、RFは60km/hを超えたあたりから、後方のピラー周辺で独特の風切り音が出ると言われます。これは故障ではなく形状によるものです。気になるかどうかは人によるので、試乗で必ず高速域まで確認してください。

経年で来るもの

ロードスター(ND)
画像:Jakub “Flyz1” Maciejewski/CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons

年式の古い個体では、他の車と同じように経年部品が順番に来ます。エアコンのコンプレッサー、オルタネーター、ラジエターからの水漏れが弱点として挙げられます。

どれも致命的ではありませんが、まとまった出費になります。10年落ちに近い個体を選ぶなら、購入価格に整備費を積んでおいてください。

優先順位としては、幌、冷却系、足まわりのブッシュ、そしてエアコンの順です。幌は雨漏りを通じて内装と電装に波及するので、実は最優先で手を入れるべき部分です。

前期と後期

https://kuruma-dna.com/na6c

NDは途中で改良を受けており、後期型では1.5Lエンジンの出力が引き上げられ、内装や装備も更新されました。後期型のほうが完成度は高いというのが一般的な評価です。

初期型を選ぶ場合は、上に書いたミッションの件を丁寧に確認してください。価格差の理由は、そこにあります。

現車確認で見るべきポイント

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  • 幌の状態:こすれ、隙間、開閉の引っかかりと異音。最優先
  • RFなら電動ルーフ:何度も開閉させる。異音、途中停止、動きの不均一
  • ミッション(初期型):冷間からの1速・2速の入り、ギア鳴り、交換記録
  • パワーウィンドウ:左右とも最後まで上げ下げ。速度と異音
  • 雨漏り:室内のカーペット、シート下、トランク内の湿り
  • 経年部品:エアコン、充電系、冷却系
  • 記録簿:オイル交換とミッションの整備履歴

この車に手を出してよい人、やめた方がよい人

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向いている人は、軽さと素直さに価値を置ける人です。NDは出力ではなく、車重と重心とバランスで走らせる車です。この設計思想に共感できるなら、代わりになる車は事実上ありません。

オープンカーとして日常的に使いたい人にも向いています。幌の開閉は片手でできるほど軽く、実用性の面でもよくできています。

やめた方がよい人は、荷物と人数が要る人です。2人乗りでトランクも小さい。1台に集約したい人には向きません。

屋外保管しかできない人も、幌の劣化を織り込む必要があります。RFを選ぶか、ボディカバーを使うかを先に考えてください。

屋根の話をもう少し補足すると、ソフトトップは片手で開閉できる軽さが最大の武器です。信号待ちで開けられるほど手軽で、この気軽さがロードスターの本質でもあります。RFは電動で楽ですが、開閉に時間がかかり、その気軽さは薄れます。

結局、NDの中古は買いなのか

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幌の状態が良く、記録簿がある個体なら買いです。 初期型ならミッションの整備記録、RFなら電動ルーフの動作。この2点さえ押さえれば、大きく外すことはありません。

ロードスターは、他社が全部やめた形式を35年作り続けている車です。その最新形が、いま中古で普通に買える。 これは当たり前のことではありません。

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