1976年12月に登場した3代目、X30/X40系。セミクラシック調の押し出しを得て、マークIIが「コロナの上級版」から高級パーソナルカーへ踏み出した世代です。この代から姉妹車のクレスタも加わりました。
そして50年近くが経ったいま、この車を中古で探すというのは、現車を自分の目で見に行けるかどうかの話になります。
この世代の中身も押さえておきます。1976年12月に登場し、ボディは4ドアセダン、2ドアハードトップ、ワゴン、バンを揃えました。エンジンは4気筒と直列6気筒の両方が用意され、上級グレードには6気筒が積まれます。姉妹車のクレスタが加わったのもこの代からです。
販売店の但し書きが、すべてを語っている
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価格帯の話もしておきます。この年代のマークIIは、状態によって価格が極端に分かれます。動くだけの個体と、レストア済みの個体では桁が違う。中間がほとんど無いのが、50年落ちの旧車の相場です。
この年代のマークIIを扱う店の説明文には、「錆や腐食がありますので、現車確認が可能な方のみ」という趣旨の但し書きが普通に付きます。
これは不誠実な表示ではなく、むしろ正直な表示です。1970年代の日本車で、錆がまったく無い個体はほぼありません。問題は、どこにどれだけ出ているか。そしてそれは写真では分かりません。
だからこの車を検討するなら、遠方の個体でも見に行く前提で考えてください。行けないなら、買わないほうがいい。現車確認できない旧車は、賭けになります。
見に行くときは、できれば雨上がりを避けてください。濡れていると塗装の状態も錆も分かりにくくなります。そして必ず、エンジンが冷えた状態から始動させてもらってください。暖まった状態で見せられると、始動性の問題が隠れます。
排出ガス規制のただ中に作られた車
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グレードの選び方としては、直列6気筒を積む上級グレードのほうが、この世代の狙いを味わえます。4気筒は実用寄りで、当時の販売の主力でもありました。どちらが良いかではなく、何を体験したいかで選んでください。
X30/X40系が売られたのは、昭和50年・51年排出ガス規制への対応が進んでいた時期です。トヨタはTTC(トヨタ・トータル・クリーン・システム)で対応しましたが、その代償として出力は落ちています。
これを理解しておかないと、試乗で「調子が悪いのでは」と誤解します。この時代の車は、そもそも速くありません。 加速の鈍さは故障ではなく設計です。
逆に言えば、この車の価値は速さではありません。当時の内装の質感、直列6気筒の滑らかさ、そしていまでは作られない造形。そこに向かう人のための車です。
逆に、この時代の車ならではの良さもあります。電子制御が最小限なので、不調の原因が追いやすい。キャブレターや点火系の調整で、体感がはっきり変わる。手を入れた結果が分かりやすいという意味では、いまの車よりずっと面白いとも言えます。
部品供給という、最大の制約
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逆に、消耗品や機関系は同時代のトヨタ車と共通するものがあり、まだ手に入る場合があります。旧車を扱う店に相談すれば、代替品や流用の情報が出てくることもあります。「純正が無い=直せない」ではありません。
オーナーの声で必ず挙がるのが、部品供給です。50年前の大衆向け高級車で、しかも当時よく売れたぶん乗り潰された車。内外装の専用部品は、基本的に「出てきたら買う」世界です。
エンジンや足まわりの消耗品は、同世代のトヨタ車と共通するものがあり、まだ何とかなる場合があります。しかしメッキモール、内装トリム、レンズ類、エンブレムといった部品は、欠品したまま乗ることになる可能性が高い。
購入前に、部品を探せるルート(旧車専門店、部品取り車の情報、オーナーのつながり)を確保できるかを考えてください。
部品の探し方としては、同年代のトヨタ車と共通する機関部品から当たるのが基本です。内外装は、オーナーズクラブや旧車イベントでの情報交換が実質的な入手経路になります。買う前にその輪に入っておくと、後が楽になります。
現車確認で見るべきポイント

- 錆と腐食:フロア、リアの足まわり取り付け部、フェンダー内側、ドア下端、トランク内。写真では絶対に分からない部分
- 修復とパテ:磁石が付くか、塗装の厚み、板金の跡
- エンジンの始動と煙:始動性、白煙・黒煙、アイドリングの安定
- 冷却系:ホースの硬化、漏れ跡、水温の上がり方
- 内外装の欠品:モール、トリム、レンズ、エンブレム。欠けていれば補充は困難
- 書類と来歴:どこで、誰が、どう維持してきたか
この車に手を出してよい人、やめた方がよい人

向いている人は、1970年代の日本車が持っていた空気そのものを求める人です。角ばった造形、厚みのある内装、直6の穏やかな回り方。当時の「上級車」の感覚は、いまの車では再現できません。錆と部品と付き合う覚悟がある人向けです。
置き場所も重要です。50年落ちの車を青空駐車で維持するのは現実的ではありません。屋根と、できれば壁のある場所を確保してから探し始めてください。
やめた方がよい人は、走りを求める人と、現車を見に行けない人です。この世代のマークIIに、ハイソカーブームの華やかさや速さを期待すると外します。その価値は、GX71以降の世代にあります。
結局、X30/X40の中古は買いなのか
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現車を見て、錆が許容範囲で、部品が揃っているなら買いです。 それ以外の条件では、手を出さないほうがいい。
X30/X40系は、マークIIが「コロナの上」から抜け出す途中の姿でした。規制と不況の時代に作られたからこそ、当時の作り手が何を守ろうとしたかが見える世代です。











