ブルーバード U11が欲しい? ならこう探す【40年落ちを、錆と部品で選ぶ】

ブルーバード SSS(U11)

1983年に登場したU11型ブルーバードは、この車種が前輪駆動へ移った世代です。当時の評価は割れました。実用性は上がったが、SSSが背負ってきた走りのイメージは薄れた、と。

そして40年以上が過ぎたいま、中古で探すときの論点は当時とはまったく別のところにあります。そもそも、まともな個体がほとんど残っていないからです。

この世代の中身も押さえておきます。1983年10月に登場し、この代からブルーバードは前輪駆動になりました。エンジンはCA型の1.6L・1.8L・2.0Lで、SSS系には1.8LのDOHCターボ、CA18DET型が用意され145馬力・20.5kgf·mを発生します。

まず、探し方の話から

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U11は、当時よく売れた大衆車です。しかし大衆車ほど、時間が経つと残りません。日常の足として使い倒され、車検のたびに手放され、部品取りにされ、そして輸出されていきました。

いま中古車サイトでU11を探しても、掲載が数台という状態が普通です。つまりこの車は、条件を絞って選ぶのではなく、出てきたものを判断するという買い方になります。

現実的な探し方としては、旧車を扱う店に希望を伝えて待つ、オークション代行に条件を出しておく、あるいはオーナーズクラブのつながりを頼る、といった手段になります。一般的な中古車サイトだけを見ていると、そもそも出物に気づけません。

グレードを選べる立場ではありませんが、それでも押さえておきたいのは、SSS系に用意されたCA18DET型(1.8L直噴ではなく、DOHCターボ)を積む個体かどうかです。145馬力・20.5kgf·mというスペックで、この世代のブルーバードとしては明確に走りに振られています。ただし当然、玉数はさらに少なくなります。

40年落ちの現実:錆と部品

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価格帯としては、動く個体でも高額にはなりません。問題は、買ったあとに費やす金額と時間のほうが、車両価格を大きく上回ることです。これを承知で選ぶ車です。

錆。 これが最大の関門です。40年前の日本車の防錆処理は、いまの水準とは比べものになりません。融雪剤を使う地域で使われた個体は、フロア、リアの足まわり取り付け部、フェンダー内側、そしてサスペンションの取り付け部が傷んでいる可能性が高い。ここが終わっている個体は、どれだけ安くても手を出さないでください。 エンジンは載せ替えられますが、車体は作り直せません。

錆を見るときは、表面ではなく「叩いた音」と「厚み」で判断してください。パテで埋められた部分は音が違います。磁石が付かない箇所があれば、そこは金属ではありません。旧車を扱い慣れた人に同行してもらえるなら、それがいちばん確実です。

部品供給。 純正部品の廃番はかなり進んでいます。マフラーのように、社外品や汎用品で対応せざるを得ない部品も出てきます。機関系はCA型のほかの車種と共通するものもありますが、内外装の専用部品は基本的に「見つかったら買っておく」の世界です。

購入前に、部品を探せるルート(旧車を扱う店、部品取り車の情報、オーナーのつながり)を持っているかどうかで、この車の維持しやすさは大きく変わります。

また、機関系はCA型を積む他のニッサン車と共通する部分があり、消耗品はまだ手に入ることがあります。逆に内外装、灯火類、エンブレム、モールといった専用部品は絶望的です。「動かす部品」と「見た目の部品」で難易度がまったく違うと考えてください。

電装と、機関の実際

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加えて、40年前の車では点火系とキャブレター/インジェクションの調整状態が、そのまま調子に出ます。始動性が悪い、アイドリングが不安定という個体は、部品が悪いのではなく調整がされていないだけ、ということもあります。判断には、この年代を見慣れた人の目が要ります。

40年ぶんの経年で、機関そのものより先に周辺が来ます。整備記録の共有では、オルタネーターの故障、エアフロメーターの不調といった事例が挙がっています。どちらもエンジンが止まる、あるいは走行不能につながる部位です。

エアフロメーターは、この年代の電子制御エンジンでは定番の弱点です。アイドリングの不安定、加速時の息つき、始動性の悪化として出ます。中古部品も新品も入手が難しくなっているため、現車確認では暖機後のアイドリングの安定を必ず見てください。

MTのシンクロ。 U11のマニュアル車は、シンクロが弱いという指摘があります。特に2速へのシフトダウンで引っかかるようなら、その個体はミッションに手を入れる前提で考えたほうがいいでしょう。加えて、燃費重視でギア比が高めに設定されているため、加速の鈍さを「不調」と誤解しないことも大事です。これは設計です。

現車確認で見るべきポイント

ブルーバード SSS(U11)
画像:Tokumeigakarinoaoshima/CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons
  • :フロア、リア足まわり取り付け部、フェンダー内側、サスペンション取り付け部。最優先で、下に潜って見る
  • アイドリング:暖機後の安定。エアフロ関連の不調が出やすい
  • 充電系:アイドリング時の電圧、警告灯。オルタネーターの故障事例あり
  • MTのシンクロ:2速への入り方
  • 部品の欠品:内外装の専用部品が揃っているか。欠けていると補充はほぼ不可能
  • 記録簿と前オーナー:旧車は「誰がどう維持してきたか」がすべて。可能なら来歴を聞く

この車に手を出してよい人、やめた方がよい人

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置き場所も重要です。屋根のない場所での保管は、40年落ちの車には厳しい。購入前に、雨風をしのげる場所を確保してください。

向いている人は、U11でなければならない理由がある人です。実家にあった、当時憧れた、あるいはFF化という転換点そのものに興味がある。そういう動機があるなら、この車を探す意味があります。旧車として維持する覚悟と、部品を探す根気が前提です。

やめた方がよい人は、「安く手に入る旧車」を探している人です。U11は、価格が安く見えても維持のコストと手間が価格に見合いません。同じ動機なら、部品供給がまだ健全な90年代以降の車のほうが圧倒的に楽です。

結局、U11の中古は買いなのか

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錆が軽く、部品が揃っていて、来歴が分かる個体なら買いです。 ただし、その条件を満たす個体が市場に出てくること自体が稀です。

U11は、日産が「技術の日産」として実用性の側に舵を切った世代でした。当時は地味だと言われた選択が、40年後に残った数少ない個体の価値を作っています。 探して見つけたなら、それはもう縁の話です。

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